ドラフトの本当の評価は、何年か経ってみないと分かりません。
広島カープ歴代のドラフトを振り返り、評価を行います。(S~E評価)
今回は2014年のドラフトを振り返ります。
ちなみに2014年の主な他球団の選手は、巨人岡本、ソフトバンク松本、栗原、オリックス山崎福也、宗、日本ハム有原、西武外崎、高橋、ロッテ中村などです。
1位 | 野間 峻祥 | 外野手 | 中部学院大 |
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2位 | 薮田 和樹 | 投 手 | 亜細亜大 |
3位 | 塹江 敦哉 | 投 手 | 高松北高 |
4位 | 藤井 皓哉 | 投 手 | おかやま山陽高 |
5位 | 桒原 樹 | 内野手 | 常葉学園菊川高 |
6位 | 飯田 哲矢 | 投 手 | JR東日本 |
7位 | 多田 大輔 | 捕 手 | 鳴門渦潮高 |
1位 野間 峻祥
村野工ー 中部学院大
通算成績 832試合出場 541安打 10本塁打 130打点 73盗塁 打率.274
緒方監督就任後、初のドラフトとなり、カープは有原投手を1位で指名するも、交渉権を得られず、外れ1位指名で緒方監督の意向を受け、野間を指名しました。
最初の頃は、「隙あらば野間」なんて揶揄されていましたが、今やチームの主力選手の一人となりました。
珍プレーにも出てしまうなど、守備で時々やらかしてしまう事が多いです。
しかし、身体能力はチームでもトップクラスに高く、特に足が非常に速いです。
今でも忘れられないのが、いつかの阪神戦で、ランナー1塁で、そのランナーは野間。
バッターが右中間に打球を放ちますが、抜けずにライトの糸井選手が追いつき、普通であれば3塁ストップです。
しかし、野間はすでに3塁ベースを周って、ホームへ還ります。
これにはライトの糸井選手もびっくりしており、その足の速さに非常に驚きました。
そして年々打撃でも粘り強さ、勝負強さが出てきており、相手からしたら厄介なバッターになってきていると思います。
2024年は、西川選手が抜けた外野陣を引っ張る活躍が期待されます。
2位 薮田 和樹
岡山理大付高ー 亜細亜大
通算成績 123試合登板 23勝11敗 防御率3.94
亜細亜大学時代の1年秋に右肘を手術し、4年春にも肩を痛めて、ほとんど公式戦で投げていません。
無名に近かった薮田投手が2位で指名され、「誰なんだ?」と非常に驚きました。
正直2位でなくとも指名できた気がしましたが、他球団の水面下での動きもあり、2位での指名となったようです。
有名な話ですが。
薮田投手のお母さんがタクシー運転手をしていて、そこにたまたま松田オーナーが乗車しました。
「うちの息子が亜細亜大で野球をしています、凄く速いボールを投げるので、是非宜しくお願いします」と声をかけられたため、オーナーが松本スカウトに、「一度見に行ってくれないか」と声をかけ、3年春のオープン戦を見に行ったといいます。
その時は他球団のスカウトは誰もいなかったといいます。
スカウトは、薮田を見て、152キロのストレートに加え、テイクバックが小さい独特のフォームで、ボールの出所が見えずにタイミングがとりづらく、コントロールもあり、驚いたそうです。
そんな経緯があり、二位での指名となりました。
そして入団3年目に15勝3敗の好成績を残して、最高勝率のタイトルに輝き、優勝に貢献しました。
しかし、その後は、登板機会が減少します。
そして2023年のオフに戦力外となりました。
2024年からは、オイシックス新潟アルビレックスBCに入団することになりました。
新天地での活躍、NPBへの復帰、期待しています。
3位 塹江敦哉
高松北高
通算成績 151試合登板 11勝 12敗 43ホールド 防御率4.71
最速154キロのストレートや、スライダーが武器。
制球の甘さが課題の投手。
2020年、2021年と、防御率は4点台と、安定感はありませんでしたが、チームに不足している貴重な左腕として、チームを支えてくれました。
2023年は8試合のみの登板となりました。
オフからは、投球フォームをサイドスロー気味に変更しました。
まだシーズンは始まっていませんが、かなり順調にいっており、今まで以上の活躍が期待できるかもしれません。
チームには依然として中継ぎ左腕が不足している為、課題の制球力を向上させ、活躍が期待されます。
4位 藤井皓哉
おかやま山陽高ー広島ーソフトバンク
通算成績 103試合登板 11勝 4敗 3セーブ 32ホールド 防御率2.72
2018年にはプロ初勝利をあげるも、2019年は1イニング4三塁打のプロ野球記録を作るなど、カープでは芽が出ず、2020年に戦力外となります。
その後四国IL・高知ファイティングドッグスに入団、11勝3敗、ノーヒットノーランや、投手二冠の活躍が認められ、2021年12月にソフトバンクと育成で契約する。
2022年3月22日支配下登録となり、3月27日には、NPBでは4年ぶりの白星をあげる。
その後は、21試合連続無失点と、安定感抜群の投球をみせ、勝利の方程式に入るなど大活躍。
オフには大幅昇給となり、まさにシンデレラストーリーとなりました。
今の藤井の姿を見ていると、カープで育成しきれなかったことが非常に悔やまれます。
5位 桑原樹
常葉学園菊川高
通算成績 3試合出場
俊足とパンチ力が魅力の内野手でしたが、2021年に戦力外となり、現役引退となりました。
2軍でプレーしていた時に、小園や林が入団し、「こいつらに勝てないと思った」と感じたそうです。
現役引退後は、球団職員として、球団に残り、球団主催の野球教室の指導などにあたっています。
6位 飯田哲矢
藤沢翔陵高ー亜細亜大ーJR東日本
通算成績 40試合登板 0勝0敗 防御率4.91
145キロのストレートと、落差のあるカーブ、カットボール、チェンジアップを投げ分ける。
2017年にはサイドスローに転向し、活躍が期待されましたが、2019年のオフに戦力外となり、現役引退。
引退後は、球団に残り、スコアラーを務め、チームを支えています。
7位 多田大輔
鳴門渦潮高
一軍出場無し
188㎝87㎏と大柄で、強肩、大型の捕手として期待されましたが、2017年のオフに戦力外となりました。
現在は大阪の社会人野球チームの選手兼任でコーチを行っているそうです。
評価
評価が難しい年ですが、B評価とします。
野間が思ったよりも時間がかかりましたが、主力選手に成長したのはプラスでした。
しかし、薮田が活躍できた期間が短かったこと、あとは藤井の4位指名は素晴らしかったですが、カープで育成しきれなかったこと、下位で指名した選手達が全く活躍できなかったことで、マイナスとなり、厳しめのB評価となりました。
よろしければ、過去のドラフト評価の記事もご覧ください
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