「前田智徳の再来」田村俊介

ブレイク間違いなしの広島期待の選手がついに本領を発揮しました。

3月14日に行われた日本ハムとのオープン戦で、田村俊介外野手が、二打席連続のホームランを放ち、ポテンシャルの高さを見せつけました。

その姿はまさに広島カープのレジェンド・孤高の天才、前田智徳氏にそっくりでした。

愛工大名電から2021年ドラフト4位で入団し、1年目は2軍で打率.185、0本塁打11打点。

昨年は故障もあり1軍10試合出場にとどまりましたが、打率.364（22打数8安打）と大器の片鱗を示していました。

侍ジャパンの井端監督も、一振りで素質を見抜いたと言われ、「日本を代表する打者になる」と、実績がほぼ無いにも関わらず、異例の日本代表への抜擢を行いました。

今年怪我さえなければ、覚醒は間違いないでしょうが、前田智徳氏の成績を改めて振り返り、前田氏と同じような成長曲線を描くことは可能なのか見ていきます。

前田智徳　成績

年度	年 齢	チーム TEAM	打率 AVG	試合 G	打席 PA	打数 AB	得点 R	安打 H	二塁打 2B	三塁打 3B	本塁打 HR	打点 RBI	盗塁 SB	犠打 SH	犠飛 SF	四球 BB	死球 HB	三振 SO	出塁率 OBP	長打率 SLG	年俸
1990	19	広島(2)	.256	56	45	43	15	11	3	0	0	5	4	1	0	1	0	3	.273	.326	480万円
1991	20	広島(1)	.271	129	465	395	54	107	21	1	4	25	14	30	4	31	5	57	.329	.359	530万円
1992	21	広島(4)	.308	130	585	493	82	152	23	3	19	89	18	30	6	54	2	51	.375	.483	1590万円
1993	22	広島(6)	.317	131	568	499	85	158	33	2	27	70	10	2	3	61	3	63	.392	.553	4800万円
1994	23	広島(3)	.321	123	554	492	66	158	26	0	20	66	4	2	3	57	0	56	.389	.496	8500万円
1995	24	広島(2)	.256	25	99	86	15	22	4	1	4	11	3	0	1	10	2	12	.343	.465	1億3500万円
1996	25	広島(3)	.313	105	435	396	54	124	20	2	19	65	0	0	3	34	2	61	.368	.518	1億3500万円
1997	26	広島(3)	.304	100	419	382	55	116	23	1	15	68	1	0	7	28	2	35	.348	.487	1億6000万円
1998	27	広島(5)	.335	127	551	504	71	169	36	0	24	80	5	0	2	41	4	54	.388	.550	1億6000万円
1999	28	広島(5)	.301	108	428	392	53	118	17	0	12	65	1	2	5	25	4	36	.345	.436	1億9500万円
2000	29	広島(5)	.237	79	284	262	32	62	14	0	13	44	0	1	3	18	0	39	.283	.439	2億1500万円
2001	30	広島(4)	.296	27	30	27	1	8	2	0	0	7	0	0	0	3	0	3	.367	.370	1億9000万円
2002	31	広島(5)	.308	123	462	422	50	130	11	1	20	59	0	0	2	37	1	38	.364	.481	1億7000万円
2003	32	広島(5)	.290	128	473	427	50	124	14	2	21	71	2	5	3	35	3	45	.346	.480	1億7000万円
2004	33	広島(5)	.312	121	438	407	45	127	28	1	21	70	2	1	2	23	5	38	.355	.541	1億7000万円
2005	34	広島(6)	.319	146	590	540	77	172	25	1	32	87	1	0	0	44	6	43	.376	.546	1億5500万円
2006	35	広島(5)	.314	134	522	472	66	148	22	1	23	75	2	2	3	40	5	42	.371	.511	1億8800万円
2007	36	広島(5)	.285	124	446	414	41	118	17	0	15	71	1	0	4	20	8	31	.327	.435	2億1000万円
2008	37	広島(4)	.270	84	186	174	11	47	4	1	4	29	0	0	2	8	2	24	.306	.374	1億7000万円
2009	38	広島(5)	–	0	0	0	0	0	0	0	0	0	0	0	0	0	0	0	–	–	1億2000万円
2010	39	広島(5)	.221	68	86	77	5	17	3	0	2	19	0	0	2	6	1	19	.279	.338	7200万円
2011	40	広島(5)	.250	52	51	44	0	11	3	0	0	13	0	0	1	5	1	8	.333	.318	7000万円
2012	41	広島(4)	.327	56	56	49	1	16	4	0	0	19	0	0	2	5	0	5	.375	.408	5600万円
2013	42	広島(3)	.364	12	12	11	0	4	0	0	0	4	0	0	0	0	1	2	.417	.364	5600万円
通算成績			.302	2188	7785	7008	929	2119	353	17	295	1112	68	76	58	586	57	765	.358	.484

改めて見ると、前田氏が、とんでもない成績を残し、どれだけ超一流のバッターだったのか分かります。

あのイチローですら憧れ、落合博満は当時、「真似していいのは前田だけ」と、そのバッティングは無駄が無く、卓越していました。

大怪我さえなければ、さらにとんでもない成績を残していたでしょう。

田村は前田に近い成績を残せるのか

田村は今季3年目ですから、前田氏の同じ3年目の成績を見ると、130試合に出場し、打率.308、本塁打19、打点89、盗塁18と、改めてとんでもない成績を残しているのが分かります。

まず凄いのが、21歳にして、130試合に出場していること。

完全にこの時点でレギュラーを掴み切っています。

さらに驚くのが打点89、という一流の成績を残していること。

ただヒットを打つだけでなく、チャンスの場面でもしっかりランナーを還すバッティングが出来ていたということです。

更に盗塁も18個決めており、いかに優れた選手だったのか成績を見ても分かります。

3年目の田村はこれに近い成績を残せるのか？

正直かなり厳しいとは思いますが、不可能ではないと思います。

まず条件として、レギュラーを開幕の時点で掴んでいること。

右投手、左投手関係なく常時試合に出場できるほどの信頼を勝ち取ることです。

それが出来れば、ある程度の成績は残せると思います。

予想成績

それでは3年目の田村はどれくらいの成績を残せるでしょうか？

打率.290、本塁打18、打点60、盗塁5。

これくらいの成績は残せるのではないでしょうか？

3年目の前田氏の成績には及びませんが、それに近い成績にはなりそうです。

そしてカープが田村をどのように起用するのかが注目です。

強打の2番打者なのか、無難に6、7番の下位打線なのか、まさかまさかの4番での起用はあるのか？

起用法についても非常に注目です。

田村の成長を見逃さないようにしましょう。

宜しければ2024年ブレイクする選手は？（野手編）の記事もご覧ください

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